分党と政党助成金への疑問−342万票の民意の行方− 12月16日の衆議院総選挙の直前に、政策も定かでないまま急造された「日本未来の党」が、 選挙を終えて2週間も立たないうちに「分党」することになった。 結党以前に議員であった者の多くが落選し、結果が芳しくなかったとはいえ、 同党は衆議院で9議席を獲得した。 このうち7議席は有権者が政党で選ぶ比例代表による獲得議席である。 この比例代表部分で342万人以上の有権者が嘉田由紀子・滋賀県知事が代表を務める 「日本未来の党」に投票していたのである。 こうして議席を獲得した途端の分党で、一体有権者の意思はどうなるのか。 しかも、分党に際して、2つに分かれた党のうち小沢一郎氏を中心とした「生活の党」の方に、 近く国民の税金から8億円以上の政党助成金が交付される見込みという (毎日新聞12.29)。 有権者の意思を蔑ろにして野合・糾合を繰り返す政党や議員に対して、 億単位の税金を渡す理由があるのか。 (そういう訴訟が起こせる仕組みであれば)全国から納税者訴訟が 起きても不思議ではない、不正な状態である。 政党助成制度、特に比例代表により議席を獲得した後に 分党した場合の交付金や、離党者の議席の扱い等について、 有権者の意思の適切な反映という観点から、早急な見直しの論議が必要ではないか。 民主主義の根幹にかかわる重大な背信行為である。 秋葉丈志 2012.12.29 戻る