大津市いじめ自殺:学校と教委は何をしていたのか 滋賀県大津市で、昨年秋に自殺した中学生に対して、 残虐なまでのいじめ行為が繰り返されていたと推測させる 情報を多数得ながら、学校側と教育委員会が調査を打ち切り、 かつそうした情報の存在を遺族から隠していたと報じられている。 なぜ調査を打ち切ったのか、また情報を知らせなかったのか、 いまのところ、学校や教育委員会の保身ないしは教育に 携わる者とは思えないほどの感性・モラルの欠如しか思い浮かばない。 いじめだけでも非常な痛苦である。 その苦しみを訴えて死んだとして、そのうえいじめが原因ではない、 と喧伝するのは死者への冒涜も甚だしい。 どこまで非人間的な感覚を貫くつもりなのか。 また、仮に事実なら加害者の放任は理解に堪えない。 いじめの一環としてなされたとされる行為が事実であるならば、 明らかに犯罪に属する部類のものもある(暴行、恐喝、強要)(注)。 学校内ならそれが許されるのか。教師は何をしていたのか。 この件に関して、大津市長が市として積極的に責任を取る 姿勢を示し、滋賀県警も捜査に乗り出した。 学校や教委の信頼が地に墜ちた以上、極めて常識的な対応である。 未成年に対する刑事捜査である以上、手続上の慎重さも要求されるが、 事実関係を徹底解明したうえで、理に適った処分を期待したい。 秋葉丈志 (2012. 7.11) (注) ・体育祭の会場で、両手両足を縛られ、口も塞がれた中で背中を強く蹴られていた(暴行) ・金を巻き上げられていた、短期間に口座から多額の金が引き出されていた(恐喝ないし窃盗) ・自室を荒らされ、物がなくなっていた(侵入、窃盗) ・万引きをさせられていた(強要) などの指摘が同級生から学校に対し寄せられていた。( )は犯罪の可能性。 戻る